9/07/2014

【フェアバンクス】シャンダラー牧場

最近、シャンダラー牧場(Chandalar Ranch)というホステル/オーロラ観測スポットに行ってきた。3年間、アラスカに住んでいるものの、ちゃんとした観光はあまりしたことがなく、アラスカ観光の研究(?)も兼ねて・・・という言い訳。



『歩き方』にも載っているこのホステルは、セントローレンス島(アラスカ西部、というかほとんどロシア)出身のユピックのおばあちゃんと白人の旦那さんが 切り盛りするところで、アットホームな雰囲気。旦那さんは当時、キーナイ(アラスカ南部)に釣りにいっており、自分が滞在したときにはおばあちゃん、息子さん、中国人の奥さん、お孫さん、居候のかた、お孫さんの友人などがいた。牧場と名はついていて、実際に馬を数頭みたけど、ホステルの人のではなくて、友人の馬を世話しているとのこと。

おばあちゃんは親日家。「あなたたちの文化(日本文化)は、私たちの文化(ユピック・エスキモー文化)と同じで、敬意を払うってことを知っている」。昨年、研究関係の長期セミナーでカナダのイヌイットの古老と学校教師と会ったときに、「私たちは、人が聞いていないところで、日本人を私たちのイトコと呼んでいるのよ」と言われたことを思い出した。ここのおばあちゃんも、カナダ・イヌイットのおばあちゃんも、どこか日本人(東アジア人)ぽい。観光を通じた、日本人とイヌイットのミクロな友好関係。

どこに行っても、食べ物の話しは盛り上がる。これは、水鳥の卵。海岸の崖沿いに水鳥の巣があり、そこから卵を失敬して、食料としていたという。どの鳥だろう?先住民の料理とか味見できるのではないかと期待していたが、とくにそのような機会はなかった。以前、別のユピックの友人が作ったエスキモー・アイスクリーム(アグータック)を食べたことがある。多くの白人は、ゆでた魚の身に食用油、大量の砂糖を混ぜて、粘り気がでるまでかき混ぜたあとに、ベリーをのせたものを食べることにとても抵抗があると言っていたが、個人的な感想としてはしっかり冷凍したものは普通に美味。とけると少し魚くさいが、別に食べれないことはない。





午後10時ごろになると、オーロラガイドがお客さんを引き連れてやってくる。このホステルは、 オーロラ観測スポットでもある。8月後半からオーロラが見えるようになるため、毎日、20人くらいのお客さんがやってきていた。3晩のうち、少しであれば、毎晩見ることができた。やはりコツは、忍耐強く待つこと。ずっと曇っていたときでも、15分の間に雲が流れて、きれいなオーロラが姿を表すこともあった。

ちなみに写真のおじさんは、少し怪しげなオーロラガイド。6歳からフープダンサー、音楽家として旅を続け、40歳から10年間、内陸アラスカの村で先住民の人々とともに自給生活を送っていたのだという。前にこのおじさんがパウワウでしゃべっているのを見たことがあったが、フープダンスの実演を見るのははじめて。あと、おじさん撮影、おじさん主演の狩猟ビデオは、いろいろな意味で秀逸。このおじさんが住んでた村に行ったことがあるが、自分ではなくて、現地の人に語ってもらえばよいのにという思いを禁じ得ない。もうひとり、ガイドの人がお客さんを連れてきていたが、その人はアラスカ大学の生態学的な調査を手伝っているらしい。

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